昨日、月エリザ1回こっきりの観劇。

まず第一に「ヌメヌメしてないよ!トート閣下が!」という印象。
えー、前回雪ではトート閣下が全編ヌメヌメしてました。まあそのヌメヌメ閣下大好きだったですけどね。
アサコトート閣下はヒリヒリと乾いてました。

そして、アサコトート閣下は19世紀後半という時代の作り出した幻影だと感じました。エリザベートの時代ってフロイトが活躍しだす頃と重なってるんですよね。つまり、「精神世界」とか「心理学」とかそんなことに人々が関心を示し始めていた頃なのかなと。
その中でも、現代人にも通じる自我の持ち主がシシィであり、その「肥大化した自我」が生み出した自身の投影がトート閣下なのかと。
だから、シシィはトートに怯えはするけれども嫌がらない、トートはシシィを求めるけれども愛さない、そんな風に見えました。

…こんなこと書いてますが、心理学やらそっち方面の知識はまーったくありません。全部「なんとなくそう感じた」というだけです。あしからず。

ちなみに、前回雪のトート閣下は、私の中でのイメージは『中世の神話に出てくる異世界の生き物』です。19世紀的では決して無い。

そして、キリフランツ陛下は「19世紀オーストリア帝国の皇帝陛下」でした…って「あたりまえやん!」ですけど。
えーと何が言いたいかというと、今までのフランツって「皇帝」であってもそれがどこでもいいというか、ぶっちゃけ「自由を求めるお姫様が嫁いだ大帝国の皇帝陛下」ということにして、具体的国名が無くても成り立つ感じだったけど、キリフランツ陛下はまぎれもなく「オーストリア・ハプスブルク帝国」の皇帝陛下だなあと。
なんていうか「陸海軍を統べる者」に見えるというか、国民の生活に責任持ってそうというか。戦争の前線視察とかフツーに行ってそう。で、激励された兵士たちは「陛下のために頑張ろう!」とか思うの。
いや、歴代陛下たちが弱っちいとかそんなんじゃないけど。キリフランツ陛下が謁見の場面で「どうだい、グリュンネ伯爵」と尋ねるときの腕の組み方が凄く好き。

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