ロシア語版「カラマーゾフの兄弟」読破計画は頓挫しています…予想はしてたけど。
ま、それにこだわっていると私が世界最高齢記録を塗り替えるほど長生きして且つ死ぬまで呆けなかったとしても終わるかどうか怪しいので、諦めて亀山氏訳読んでます。

で、まだ2巻目に入ったばかりなんですか、今のところイワンは「無神論者」ではあっても「革命思想」は持っていないんじゃないかなあと思っています。彼は別に社会的に虐げられている人々を救いたいなんて思ってなさそう。

っていうか「神が存在する」と頑なに信じているのはむしろ農民なんかの当時身分が低いとされていた人たちで、貴族などの支配層は「神がいる」ことを庶民が信じていることを利用して自分達の支配を正当化している訳で。

・神は存在する。
・この世のすべては神がお決めになったこと。
・お前達が農奴で我々が貴族なのも神がお決めになったこと。
・貴族が農奴を支配するのも神が決めた以上、変える事などできるはずもない。

無神論者イワンは「神が存在する。この世のすべては神がお決めになったこと。」と頑迷に信じている庶民階級も、それを利用して支配を正当化する貴族階級も、両方ともにバカにしていて、だから庶民を救おうなんて思ってもいない訳で(自分が恩恵にあずかれなかった貴族社会を恨んでいて壊してやろうとは思っているかも)、だから舞台版の裁判で「スメルジャコフが犯人」と告げた時に「お前も兄とグルになってるんだ、だってお前もカラマーゾフだからな!」と傍聴人たちから指弾されて、あんなに心が壊れそうになるの、なんでなんだろうと思ったり。

まだ原作では裁判シーンに辿り着いてないので、原作ではどういう意味になってるのか、またサイトー君の解釈の真意がなんであるのか分からないですけど。

コメント