リンダは少女の頃、弟のようなフランシスコを「パコ」と愛称で呼んでいたのかどうか…どうでもいいか。

名古屋でも全ツ見ることができたので、そろそろお芝居の感想を書こうっと。
全体をまるっとまとめてまず思うことは、

『フランシスコって、リンダやルイス伯爵をはじめとするほとんどの登場人物にとって疫病神以外の何者でもないな』

ということ。
若気の至りで場末の酒場でイザコザを起こし、そこを政敵(フランシスコのじゃなくてリンダ&ルイス伯爵のだけど)につけこまれて逮捕され…まではまだいいとしても、身分の上下を問わず皆が協力して危険を冒し、わざわざ脱獄させてくれたのに「彼女(ロザリア)がいない世界は牢獄より辛い」とかうそぶいて戻るなんざ、何様だ~と叫びたくなるぜまったく。

リンダや伯爵は政治生命をかけ、ロザリアはお父様を騙し(脱獄が成功したら監獄を監督する立場のロザリア父は失脚するかもしれないのに!)、ラファエルは自由主義者だからただでさえ逮捕・拘束される危険が高いのにフランシスコのために協力してる。ジプシーたちだって、きっと社会的に弱い立場だろうに…

最終的に結ばれない男女、というストーリーは宝塚にいくらでもあるけど、なんでこんなに主人公に共感できないのかというと、やっぱり最終的に責任取ってるのが自分じゃないからじゃないかなと。
お前のせいでな~、たくさんの人が迷惑蒙ってんだ~!なのにお前はのうのうと司教の座に納まってこれからの人生安泰なんて!(あの大公の下で司教としてやっていくことが安泰かどうか保証の限りではないだろうけど、脱獄囚として死刑にされるところだったことを思えばねえ)

あー当然ですが演者に文句を付ける気は全くありません。ミズナツキさんは相変わらず熱く熱く「恋する男」を演じきっております。
幕開きのスパニッシュの衣装からとってもお似合いです。牢獄の格子ごしに「神は僕のそばに天使を置いてくださった」とか言っちゃうところなどは少々むず痒くもありますが(笑)

けど、これが初演と同じようにトップお披露目公演だったとしたら(本公演じゃなくても、中日や全ツのプレお披露目とか)「恋に夢中な(だけの迷惑な)若者」という設定も、もう少し説得力あったかもな~とか考えちゃったり。

ネロ以外、実はそんなに大人の役をあてられていないミズナツキさんに、そろそろおっさん役をお願い!(これでも大ファンです)

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